11月17日(金)「あなんじゅぱす」の「私は生きるのを好きだった」を聴きに行く。村井さんたちと吉祥寺の駅で待ち合わせ。正道会館での自主トレーニング(サンドバッグ&ウェイト)に気合が入りすぎ、10分遅刻。と言っても開演前には「MANDALA2」着いたのだが、既に満員。やむを得ず立ち見。村井さんスミマセン。それにしてもよーこさんの観客動員力はスゴい。
今回の公演は、谷川俊太郎の詩を「生きることの、ささやかな幸せを、少々感傷的な陰画に。」というサブタイトルのもとに歌うという。ステージ左手から現れたよーこさんは黒のドレス。もともと細身の身体がよりスレンダー、かつ清楚に映える。
早くも2曲目に私の好きな《あなた》。冒頭にジャズで言う「バース」が追加され、アレンジもアルバム『夜の江ノ電』とは少し違う。言ってみれば「身も蓋も無い」リアルな詩の内容を、少しでも明るく受け止められるように、という方向だ。まさにサブタイトルの趣旨に沿っている。
驚いたのは第2部、衣装を純白のドレスに着替えて登場したよーこさんは、今までにないダイナミックな歌を披露。これは明らかに新境地だ。音楽監督であるキーボード奏者、只野展也さん(この人、私の本の読者です)、ギター、サイトウミノルさん(この人、村井さんの友達)そして、ドラムの大光亘さん(えらく若く見えたけど、後で歳をきいてビックリ)との息も合い(と言っても即興ならではスリリングな瞬間が何度もあった)ライヴならではの一体感を満喫。
聞いてみれば、「あなんじゅぱす」は結成10周年という。わたしはここ数年のファンだけど、よーこさんの歌声には人を魅了し元気にする力が備わっている。今回のステージも、人に生きる力を与えてくれる不思議なオーラを発散させていた。これはよーこさんの音楽の力であると同時に、彼女の人間としての力(包容力、存在感)でもある。
終演後、スタッフの皆さんたちとともによーこさんの自宅兼スタジオで開かれた打ち上げに招かれ、楽しい時間を過ごさせていただく。とりわけ、よーこさんご母堂手作りのギョーザが美味でした。