5月19日(土)

 今日のいーぐる連続講演は、佐藤大ちゃんのジャッキー・バイアード特集。バイアードについては、ブッカー・アーヴィンのサイドマンとしての認識ぐらいしかないが、大ちゃん如何に料理するか。
冒頭、未発表だったリーダー作をかけ、彼の原点を探るという構想はいい。だが、ストライドから一気にフリーに走っちゃったみたいなところのあるバイアードの弱点も同時に発見。要するに、よほどの実力が無ければ、バップ・ピアノを経由しないで個性を発揮するのは難しいということが浮き彫りになる。
結局、アーヴィンはじめ、ドルフィーなど、ミンガス一家周辺ミュージシャンたちのサイドとしては存在感を示すものの、リーダー作となるといまひとつ表現のポイントが掴みにくい。
とりわけ、どう考えてもセシルのデッドコピーにしか聴こえない演奏など、彼の影響されやすさを示しこそすれ、オリジナリティに繋がるようなものではない。大ちゃんは「アンダーレイテッド」だと言いたかったのだろうが、器用だけどさほど優れたピアニストとは思えないという現在のバイアード評価は、妥当なのだ。
ともあれ、アフターも含め久しぶりに「純ジャズ論議」に沸いた今回のイヴェントは、成功だったと言ってよいだろう。