6月2日(土)

 今日の須藤さんのブレッカー特集、たいへん素晴らしかった。正直言って、彼は根っからのブレッカーファンだけに、有り勝ちな「贔屓の引き倒し」になるのではないかと、ホンのちょっと危惧していたのですが、日ごろのワタクシめの「事後総括」が効いたのかどうか、実にマットウ。
 それだけでなく、いわゆるオヤジファンの「ブレッカー嫌い」が生れた経緯、理由が鮮明になりました。問題は、フュージョン時代の「周りのサウンド」や、「リズム」にあったのですね。とは言え、ブレッカー自体も変化していて、時代を追うごとに明らかに表現の深みが増している。
 個人的には、昔から愛聴していた、チック『スリー・カルテッツ』、オガーマン『シティスケープス』辺りがじんわりきました。ともあれ、この特集成功の背景には、村井康司さんの「ガッド特集」があったことは言っておかねばなりません。「ガッド問題」はジャズとジャズ周縁音楽の関係を考える時、けっこう根が深い。
 追記すれば、須藤さんのお友達、岩間さんたちと知り合えたことは収穫でした。カズミさんの傑作は実は『MOBO』なんではなかろうか、とか、その理由はスライ&ロビーの「タクシー・チーム」ですよね、などと意気投合。
 こういう音楽的出会いがあるのも連続講演の楽しみ。また、百人町音樂夜噺の主宰者、関口さんにお出でいただいたのも嬉しかった。良い講演の後の酒は旨い。