8月19日(日)

 先日の「調性論議」が気になり、長い間読みかけで放置してあった最相葉月さんの『絶対音感』(小学館刊)を眺めつつ、一時期、中毒的に聴き続けていたグレン・グールドのバッハ「平均率」を、私の好きな「ブック2」だけでなく、「ブック1」からみっちりかける。
 毎朝の日課のようにしてこの曲集を聴いていたころ(今でも「フランス組曲」「イギリス組曲」なんかは相変わらず朝の定番メニュー)は、調性に対する関心など特に無かったのだけど、曲によって(ということは当然調性によって)音楽の色彩感が変化することが面白かった。
そしてC Majorから始まりB Minorに終わる、長短12の調それぞれのプレリュードとフーガ合計48曲を聴き通すことによって、職業柄毎日7時間近くジャズ漬けになっている自分の頭の中身まで、平均律によって調律し直された様な気分になったものだった。
とはいえ、今鳴っている曲の調が何なのかというようなことは、絶対音感など無いのだから当然わからない。そこで今日はトラックナンバーから調性を確認しつつ『絶対音感』のページをめくっていると、たまたま面白い記述に行き当たった。
絶対音感の持ち主の「共感覚」にからめた「音楽の調性感と色彩感」という調査で(被験者の9割が絶対音感の持ち主)、彼らの多くがハ長調に白を、ト長調は青、以下、ニ・ホ長調=橙もしくは黄色、イ長調=赤、へ長調=緑をイメージするという(p.116)。
へー、っと思いつつ、絶対音感はもとより、相対音感だってかなりアヤシイ自分はどうか確かめてみようとしているところで友人から電話がかかり、その試みは中断されてしまったが、ハ長調が白ってのはなんとなくわかるけど、これって、この調はすべて白鍵だけで弾けるからそこから来た単純な刷り込み現象なのかもしれない。
山下さん、少しづつでいいですから、もう少しわかりやすく先日の私の「日記」に対するあなたのコメントを説明していただけると嬉しいな。具体的にいうと「調性の本質=機能感」とおっしゃったところの「機能感」って、いったいどうことですか。コメント欄に書ききれなければ、村井さんみたいに「いーぐる掲示板」に分けて書いていただいてもけっこうです。