9月15日(土)

山中さんのフィル・ウッズ特集、ある程度予想したとおり70年代のアルバムがメインになる。この時期のウッズは50年代に比べ、アルトの音がかなりメタリックになっているのが特徴だ。それを見越し、前日にオーディオ装置の接点クリーニングをやっておいたのが効いたのか、かなり高音域に倍音成分が偏っているウッズの音色が綺麗に響くようになっていた。
選曲、解説も適切で、若干過小評価気味のウッズの実力が改めて凄いものであったことが実感される。質問コーナーで『フィル・トークス・ウィズ・クイル』のソロ・オーダーが問題となったが、後で確認したところ山中さんの解説どおりであった。
宴会も大いに盛り上がり、ジョー・ザヴィヌル追悼特集を10月6日に行うことが決まる。各自が好みのアルバムから1曲ずつセレクト解説する、年末ベスト盤大会のやり方だ。『ウェザー・リポートの真実』の著者である山下邦彦さんにもぜひ参加をお願いしようということも決まった。
山下さんといえば、彼から電話があって現在坂本龍一の新刊の最終チェック中だが、それが終わったらブログに私が書いた質問に答えるつもりだということだった。実を言うと、このブログ上の問答はいーぐる連続講演参加者の皆さんの間ではかなり話題になっていて、さまざまな意見が出されている。
山下さんのご返事が無いうちにあれこれいうのはどうかとも思うが、皆さんのご意見はいくつかのパターンに収斂されるようだ。一番多い意見は用語がわかりにくいというもので、これは私も実感している。特に、一般的には「響き」という言い方が多く使われる和声、和音についても「音色」と言うことによって、必要以上に話がわかりにくくなっているという指摘はその通りではなかろうか。
ただ、あえてふつうとは違う用語を使用することによって新しい視点を提供しようとしているのだという意見もあり、これもまたその通りではないかと思う。なんにしろ、もう少し一般リスナーにも理解できるような、段階を踏んだ丁寧な説明が求められることは間違いないだろう。