10月6日(土)

このところ低域のダンピングがいまいちなので、今日のザヴィヌル講演のため前日深夜、益子さんに手伝ってもらいウーハーを交換。最初はやさしく、音のまろやかなエヴァンスの『シェリーズ・マンホール』(Riverside)でインスタント・エージング開始。当然低域は出てくるが音程は不明瞭。それが10分もしないうちにこなれてくる。面白い。
2枚目は、新録なので音域は広いがあまりエッジの張ってない、モチアンの『ガーデンズ・オブ・エデン』(ECM)で調子を見、ザヴィヌル・シンジケートなど次第に強力な低音が入っているアルバムに移行。トドメはデレク・ベイリーの『ギター、ドラム&ベース』(avant)。まだ本調子ではないにしろ、購入後6年経過して低域の伸び切ったウーハーよりはるかに切れが良い。
講演開始前、久しぶりに会った中山康樹さんと、村井康司さんを交えしばし懇談。今日は発表者の人数が不明なので時間が延びる恐れがある。スタートを早めるため、私が『マイ・ピープル』(Victor)で口火を切る。実を言うとこのアルバム、かなり強力な低音が入っているので、それを心置きなく再生するためにもウーハー交換が必要だったのだ。
2人目は所用で途中退席しなくてはいけない八田さんにお願いし、その次を考えているところで閃いた。たまたま八田さんのアルバムがキャノンボールの『イン・ニューヨーク』(Riverside)だったので、これは録音年代順で行こうと方針決定。偶然ながらこれが巧く行き、最後の中山さんまで14曲通して聴くことにより、図らずもザヴィヌルの音楽が一望できた。
ほぼ定刻の6時過ぎに音を聴くパートは終わり、『ウエザー・リポートの真実』(リットー・ミュージック)編著者、山下邦彦さんによる同著に対する質疑応答に移る。これが面白く、ザヴィヌルとのインタビューの模様が実に感動的に語られる。なんというか山下さんの熱い人柄が出ていて良かった。
打ち上げは十数名の大人数で、例のごとく福翔飯店になだれ込み鯨飲馬食。再びいーぐるに戻り、しばし雑談。山下さんと村井さんはマジメに楽理談義を交わしているようだったが、私は昨夜のスピーカー交換であまり寝ていないので、もっぱら気軽な話題で盛り上がる。