3月27日(金)

午後miyaさん来店。com-post掲示板書き込みへの礼を言う。益子さんとの往復書簡、もちろん益子さんは一般読者を代表し、あえて私の文章のわかりにくいところを指摘してくれているのだが、miyaさんの実に的確な読解は、やはり嬉しい。
2、3日前に「散歩の達人」から送られてきた郵便物を開封し、アレッ、何の本だろう、と思ってよくタイトルを見れば、「東京ジャズ地図」と書いてある。そうだ、思い出した、だいぶ前に、お世話になった「散歩の達人ブックス」編集部から店の取材をされていたんだ。装丁がシブく、ちょっと見はジャズムックらしくないのですぐには気が付かなかった。
内容は私たちジャズ喫茶、そしてジャズバー、ライヴハウス、ジャズレコード店の詳細な取材と紹介。面白かったのは各ジャズ喫茶店主の皆様方のアンケートで、通り一遍の愛聴アルバムだけでなく、「つい、口ずさんでしまう曲がありますか」とか「人生の座右の銘はなんですか」といった、ちょっとヒネった質問の回答だ。
だいたいがクセ者ぞろいのジャズ喫茶店主それぞれの、ホンネ、スタンス、レトリックが見事に現れている。私たちの大先輩中平さんの重厚な発言、ジャズ本界のスター寺島さんの芸、そして茂串さんの長文回答など、これを読むだけでもこの本の価値はある。最近多いジャズムックのヒットだろう。
夜益子さん来店。miyaさんの書き込みを受け、今後の往復書簡の方針を再検討。一般ジャズファン向けにわかりやすさに重きを置くか、miyaさんのように背景を理解している方々のために、もう少し突っ込んだ議論とするか。こうした二つの選択肢は、私たちがジャズを皆様にご紹介するときにも付いて回る、永遠の問題だ。