10月28日(金)

明日はいよいよイヴェント『ジャズとワールド・ミュージックの微妙な関係』の当日だ。2日にわたって行われるこのイヴェント、そもそもは渋谷Li-Po(TEL : 03-6661-2200)をホームグラウンドにして開催される、関口義人さん主宰の『音楽夜噺』と『いーぐる連続講演』が共同でイヴェントを開けないか、という話から始まった。

400回を越す『いーぐる連続講演』当初は当然ジャズ中心だったが、このところロック、ヒップホップ、そしてワールド・ミュージックと大きく守備範囲を広げた。まぁ、いまどきのジャズを楽しむには、ジャズだけ聴いていれば事足りるわけでもないという実情と、純粋に音楽として他ジャンルの面白さを知ってソンはないという、ちょっと欲張った発想からこういうこととなった次第だ。

実際にやってみると、当たり前のことだが、世の中には私たちの知らない面白い音楽がいくらでもあるという事実が実感として迫ってきた。心底のジャズファンも、すべての音楽を聴いた上で「オレはジャズが一番だ」と言っているわけではないだろう。せいぜいがクラシック、ロック、ポップス、歌謡曲、そしていくつかのエスニック・ミュージック風音楽をちょっぴり聴きかじった上での比較、といったところではないだろうか。

ジャズファンならお分かりかと思うけれど、ジャズは奥が深い。しかし、同じように他の音楽ジャンルも奥が深いことが、ここ数年の『いーぐる連続講演』で身に沁みた。そして面白いことに、他の音楽ジャンルを知ると、またジャズがちょっぴり違った角度で楽しめるのだ。これは大きい。もちろん、知らなかった他ジャンルに心を惹かれるということも大いにあった。

話は飛ぶが、今年の5月に行った村井康司さんと伊藤嘉章さんによる第446回いーぐる連続講演『“ジャズ史で学ぶ世界の不思議”第1回〜ジャズはカリブ音楽の一種』なども、昔なら「えーっ」と思ったかもしれないけれど、いろいろとジャズ周縁音楽を聴いていくと、「そうなんだよねー」と「耳が違って」くるのだ。

同じようなことは、もしかするとワールド・ミュージック・ファンの方々にもあるやもしれない。というような思いを関口さんと共有し、それだったらジャズ、ワールド・ミュージック双方のファン、評論家の方々が交流したらいいのでは、、、というのが今回のイヴェントの主旨である。

というわけで、明日、あさっての私たちのイヴェント、めったに一堂には会せないジャズ、ワールド・ミュージック双方の評論家の方々が、音楽についてさまざまな角度から意見を交換すると同時に、話題のグループ、minga, Salle Gaveauのライヴも楽しむという、ちょっと欲張った催しとなる。これは見ておいてソンは無いと思う。



イヴェント『ジャズとワールド・ミュージックの微妙な関係』の詳細


●10 / 29(土)

トーク・セッション1】
後藤雅洋×関口義人 
ジャズ喫茶、輸入音楽の文化、レコードとライヴ、日本人とワールド・ミュージック、媒体としての雑誌。

栗本斉、後藤雅洋、佐藤英輔、関口義人、中山康樹松山晋也村井康司
ジャズから見たワールド・ミュージック、そしてワールド・ミュージックから見たジャズ。ジャズとラテン、ブラジル、カリブ、ヨーロッパ、アフリカ音楽などとの接近について。

【ライヴ minga】
早坂紗知(as,ss) 永田利樹(b) 吉田桂一(p)コスマス・カピッツァ(per)
ママドゥ・ロー(per,vo)

トーク・セッション2】
ジャズファンは「うた」をどう聴くか、ワールド・ミュージック・ファンはインストゥルメンタル・ミュージックをどう聴くか。
インプロヴィゼーションをどう捉えるのか。


● 30(日)
トーク・セッション】
北中正和後藤雅洋、佐藤英輔、関口義人、中山康樹松山晋也村井康司ピーター・バラカン

ジャズファンに聴いてほしいワールド・ミュージック、ワールド・ミュージックファンに聴いてほしいジャズをそれぞれのパネラーが紹介し、全員で討議。

【ライヴSalle Gaveau】
鬼怒無月(g) 喜多直毅(v) 佐藤芳明(acc) 鳥越敬介(b) 林正樹(p)



●両日とも=Open 15:30 Start 16:00

●会場=Com.Cafe 音倉 世田谷区北沢2-26-23 EL NIU B1F Tel 03-6751-1311

●料金=予約 4000円 当日 4500円 通し券 7000円
両日ともw / 1drink いずれも会場にて販売

●特典=当日限定・特製ブックレットをプレゼント

●予約・問い合わせ
03-6751-1311(Com.Cafe 音倉)
03-3357-9857 (いーぐる)
Zoopah@jcom.home.ne.jp(関口)