2月22日(水)

com-postが動き出した。新譜クロス・レビューが、ツィッターで話題を呼んでいる。これは中山康樹さん、原雅明さんという豪華ゲスト・レビューアーの参加が効いているのだろう。また、今注目のロバート・グラスパーを選んだcom-post新メンバー、柳樂光隆さんのレコード屋さんらしい感覚が当たったともいえる。

com-postはいーぐるに集まるジャズ関係者たちの間で自然発生的に生まれたジャズ・サイトで、初代編集長が益子博之さん。現在は村井康司さんが編集長。メンバー紹介の最初に私の名前が出ているので私が仕切っていると思っている方もおられるようだが、あれは単に50音順。

メンバーの詳しいプロフィールはサイトをごらんいただきたいが、それぞれ世代も好みも異なる音楽ファンが自由に意見を発表できる場としてみんなで立ち上げたのだが、去年あたりは若干中だるみの観もあった。まあ、人のやること、活動に波があるのは仕方がない。

それにしても今回のクロス・レビューは面白かった。ヒップホップがらみの話題作『ジャズ・ヒップ・ホップ・マイルス』(NTT出版)を上梓した中山さんの見方が、どちらかというと従来のcom-postメンバーの意見に近いのに比べ、新参加、柳樂さん、そして、もう一方のゲスト・レビューアー、原さんがまったく違う角度からこのアルバムの意味合いを分析している。これは勉強になった。

これがクロス・レビューの醍醐味だと思う。同じものを聴いても、価値観、音楽的バックグラウンドの違いによって評価が異なってくるところが実に面白い。書き手の一人としての私が面白いと思うのだから、おそらく読者の皆さんもそれぞれの視点から興味を感じてくれているのだろう。

これを機会にcom-postの読者になられたみなさん、これからも新企画を次々と出していくつもりですので、どうぞご贔屓に。過去記事も絶対に面白いものが相当あります。ゆっくりとお楽しみください。