第494回 3月16日(土) 【15:30より】

オーネット・コールマン/ハーモロディック・ファンク再考

ジャズ界トップ級の電波野郎たるオーネット・コールマンのあらゆる自由表現の礎となっているのが、自ら名付けたハーモロディック理論。そして、彼は1972年以降、ブラックホール的な流動性を孕む人間基準法違反ファンク表現に鋭意手を染めるようになる。ジャズと他のグルーヴ/ポップ語彙を交錯させるジャズ系担い手が脚光を浴びる今だからこそ、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーら同様の持ち味を持つ舎弟奏者たちの活動も追いつつ、アフリカン・アメリカンの美点が内在しまくるオーネット流突出ファンクの真価を情緒的に問い直す。
                             解説 佐藤英輔

第495回 3月30日(土) 【15:30より】

● 『ビートルズ音楽はいかにして生まれたか』

プレ・ビートルズ期という言葉があります。つまりビ−トルズ出現までの時代ですが、その頃の英国には、例えばトラッド・ジャズ、スキッフルのような独自の音楽フォーマットが生成しています。むろん外来輸入音楽としての米黒人音楽やロックンロールの流行も。今回はそれ自体の魅力も含め、映像・音源を駆使しながら当時のブリティッシュ音楽シーンを楽しく語ってみます。

                             解説 杉原志啓

第496回 4月13日(土) 【15:30より】

● 『ジャズ・ヒップホップ・マイルス 追加講習』

中山康樹さんによる著書「ジャズヒップホップマイルス」はヒップホップをキーワードにメインストリームのジャズの歴史を再検証しようとするスリリングな試みだった。タイトルにはヒップホップの名はあっても、あの本は決してヒップホップについて書かれたものではない。驚くべきことに中山さんはほぼ旧来のジャズの観点から、あの論を組み立てていると言っても良い。それ故、ジャズリスナーにとってはずいぶん多くの発見があったのではないかと思う。

今回の講演は僕が中山さんから、著書の出版イベントの司会を任された際に、時間が許せば喋ろうと思っていたことの拡大版。ヒップホップ以降のジャズ観から、中山康樹が描いたストーリーに加えるべき文脈をフュージョンを軸にお話しながら、ジャズとヒップホップの関係を考察します。

                             解説 柳樂光隆

第497回 4月27日(土) 【15:30】

● 『エチオピアン・グルーヴ!』〜世界に拡散するエチオピア音楽

アフロビートに次ぐワールド・ビートとして世界中から注目を集めるエチオピア音楽。ボストン、メルボルン、パリ、ジュネーヴなど世界各地から、非エチオピア人によるエチオ・ポップ&グルーヴのバンドがゾクゾク登場し、いまやエチオピア音楽はミュージック・シーンの台風の目となっています。70年代前半の黄金時代から現在までの本場エチオピアン・ポップと、世界へ拡散するエチオ・グルーヴのニュー・カマーをお聴きいただきます。

                             解説 荻原和也