第531回 6月7日(土曜日) 【15:30より】
● ジェームス・ブラッド・ウルマー特集・その2
4月にもった、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーを筆頭とする壊れたブラック・ミュージックの担い手たちを追う特集の第二弾です。場が“いーぐる”ということでジャズの動向に気を配る流れで前回は話を進めましたが、異端ジャズ側出身者のポップ側に位置せんとする音群が何気に好評でしたので、今回は1980年代後期に盛り上がったブラック・ロック・ムーヴメントの動きにも目を向けつつ、今にいたるウルマー流れのぶっこわれ黒人ギタリストたちのプロダクツを俯瞰します。ヴァーノン・リード、ジャン・ポール・ブレリー、ブランドン・ロス、ジェフ・リー・ジョンソン、などなど。美は乱調にあり……ギターという楽器をとっかかりとする、アフリカン・アメリカン音楽に流れ続ける素敵の意味を問い直します。
                           解説 佐藤英輔



第532回 6月14日(土曜日) 【15:30より】
● 「ショウビズ世界が聴きとったマイルス・ノネットサウンド

ハリウッドをはじめとする米国のショウ・ビジネスの世界は長くジャズに対して冷淡だった。冷淡というより鈍感、もしくは黒白のレイス・マーケットの兼ね合いに敏感過ぎたというべきか。1935年以降、あれほど全米を席巻したスウィング・ブームの最中ですら、ハリウッドのジャズに対する取扱いは及び腰であり、歴史的名画が量産される1930年代後期〜40年代にも、ジャズ(スウィング)をキーワードに検索すると駄作ばかりが列挙される。ジャズはハリウッド・メジャーの映画にとっては所詮添え物であり、それはサッチモビリー・ホリデイベニー・グッドマンらのジャズの大物が出演した場合の軽い扱いにも表れている。こうしたハリウッドが真剣にジャズと向き合うのは、1950年代からであり、そこに登場したのはバップを経てモダン・イディオムをまとったジャズだった。それにはまた大戦後に至り、黒人たちのアイデンティティの自覚、僅かであれ人種差別意識の緩和等の背景があった。この1950年代、ハリウッドが所在するロサンジェルス地域はウェスト。コースト・ジャズの全盛期である。連続講演では以上のハリウッドとジャズの関係を背景に、西海岸白人ジャズの興隆と、ハリウッドへの影響、ひいては一般ポピュラー・ミュージックへ流れ込んだジャズの痕跡をヴィデオを併用しながら辿る。(小針俊郎)

                           解説 小針俊郎


第533回 6月21日(土曜日) 【15:30より】
● 庶民を熱狂させる“リオのサンバ”の真骨頂

ときに自虐的、笑えて泣ける庶民魂の結晶……リオっ子の喜怒哀楽を如実に映し出すサンバ。80年代以降ブラジル全土で大衆人気を博す、日常の宴会芸“パゴーヂ”の歴史と味わい方を特別に伝授。W杯観戦の合間にどうぞ!

解説:佐藤由美 ゲスト解説:DEN(fromバランサ)



● 第6回 『NEW ARRIVALS』

6月23日(月曜日) 【20:00~22:00】

《この催しはノーチャージ、飲食代金のみでご参加いただけます》

ユニバーサルジャズとディスクユニオンの共同主催による新譜紹介イヴェント。毎回、話題の新作をていねいな解説付きでゆっくりとご試聴いただけます。またお気に入りのアルバムをその場で購入することも出来ます。ジャズシーンの動向がいち早く知れる話題のイヴェントで、私も大いに参考にさせていただいてます。みなさま、ぜひお気軽にご参加ください。