11月7日(土曜日)

上智ニュー・スイング・オーケストラでトロンボーンを吹き、現在某ビッグ・カンパニーで要職に就く山中修さんによる「マントラへの道」とサブ・タイトルイが付けられたジャズ・コーラス特集、たいへん楽しめたと同時に大いに勉強になった。

「楽しめた」のは、もともとマンハッタン・トランスファーは大好きなヴォーカル・グループで、もうずいぶん昔だけどライヴで見てそのテクニック、エンターテインメントの凄さに驚嘆したものだった。もちろん新譜はほとんど買って店でも良くかけていたのだから、その集大成が楽しめないはずが無い。山中さんの選曲も的を射ており、「やはりこれだよね」という名セレクトで大いに納得。

まあ、これは「想定内」だったが、思いのほか勉強になったのが「ジャズコーラスの変遷」とサブタイトルが付けられた前振りパート。「ボズウェル・シスターズ」やら「ミルス・ブラザース」など、アメリカン・コーラス・グループの歴史的変遷を辿ったコーナーが実に興味深い。

そこから説き起こすからこそ、「マントラへの道」も良くわかると同時に、改めて彼らの凄さ、実力が浮き彫りになる。この辺りの構成は実に見事。ふだんあまり聴くチャンスがないジャンルだが、やはり人の声が混ざり合って出来る「サウンド」の魅力はインストとは違うのは当然として、ソロ・シンガーの魅力ともまた異なる特別の聴き応えがある。

これは、少しヴォーカル・グループにも注目してみようかと眼を啓かれた素敵な講演でした。山中さん、また何か面白い企画お願いいたします!


11月9日 (月曜日)

好例のユニバーサルさんとディスクユニオンさん共催の新譜紹介イヴェント「New Arraivals Vol.22」、今回も興味深い新譜がたくさん紹介された。まず、ユニオン羽根さんご紹介のアルバムはDaniel Zamir / Redemption Song 名前から想像できる通りイスラエルの人気サックス奏者。サイドが凄く話題のピアニスト、シャイ・マエストロやマーク・ジュリアナといった錚々たる連中。

他にも新宿ジャズ館で人気のピアノトリオ Dan Trudell / Plays The Piano だとかトム・ハレルがクラシックに挑戦した作品など多彩。後半のユニバーサル斉藤さんご紹介のアルバムは、山中千尋さんの新譜やらジョンスコ、チックとべら・フレックのデュオ盤など、こちらも傑作ぞろい。

次回は年末特集として新譜と羽根さん斉藤さん各々の2015ベスト盤をご紹介する趣向です。日時は12月7日(月曜日)20;00~22:00です。ぜひお越しを!!