●第615回 6月17日(土) 午後3時30分より 参加費 800円+飲食代

『サヒブはマルチで聴け!』〜サヒブ・シハブ特集〜

その名を口にしただけで肺の空気が一気に失われるサヒブ・シハブだが、俄かに脚光を浴びたのはクラブ・ジャズなるものが流行った90年代だった。DJ御用達となった彼の諸作がレコ屋のエサ箱から消え失せる。思うに『サヒブズ・ジャズ・パーティー』でのファンキーな、『カリプソ・ブルース/クラーク=ボーラン・セクステット』ほかでのオサレでダンサブルなフルート・プレイが支持されたのだろう。悲しいかな、出発点のアルト、メーンのバリトン、のちに加わるソプラノは等閑視されてきたのではないか。それぞれに異なる魅力をふりまく実に個性的なマルチリード奏者なのに。というわけで『サヒブはマルチで聴け!』、昨夏のチャーリー・ラウズに続くアンサング・ヒーロー(縁の下の力持ち)特集第2弾です。講演では録音の多くを占めるビッグバンド演奏はほぼ除外、長いソロを許されたコンボ演奏でもって主要4楽器の魅力をお伝えします。
多くのご参加をお待ちしております!

                                解説 林 建紀



●第616回 6月24日 (土) 午後3時30分より 参加費1000円+飲食代

『新しいラテンの音を聞いてみよう』

今年、グラミーを受賞したプエルトリコの女性歌手「iLe(イレ)」やメキシコの兄妹デュオ「ジェシー&ジョイ」、あるいは、昨年夏に急死し大騒動になったスーパースター「フアン・ガブリエル」・・・
ラテン世界では大きな人気を誇るのに、日本ではまったく知られていない素晴らしい音楽家はたくさんいます。
今回は、ラテン界の、特にここ数年の動きに注目。米国との雪解け後にキューバは変わったのか変わっていないのか?も考えながら、新しい音を中心にご紹介します。

解説 岡本郁生/伊藤嘉章




●第617回 7月15日 (土) 午後3時30分より 参加費無料 飲食代のみ

ボサ・ノヴァ特集』
小学館『ジャズ・ヴォーカル・コレクション』の『ボサ・ノヴァ・ヴォーカルVol.2』及び
アントニオ・カルロス・ジョビン』発売を記念し、監修者、後藤雅洋ボサ・ノヴァの魅力についてゲストと共に語ります。
詳しい内容は近日中に告知いたします。

                    解説 後藤雅洋 + ゲスト




●第618回 7月22日 (土) 午後3時30分より 参加費800円+飲食代


ジョージ・ガーシュウィン没後80周年記念・クラシカル&ミュージカル作品集』

いーぐるの連続講演では、これまで何度かジョージ・ガーシュウィンを特集してきた。昨年秋にはオペラ『ポーギーとベス』について講演した。今回は彼の没後80年を記念して彼のクラシカル作品とミュージカル作品を取り上げる。
ガーシュウィンははじめティン・パン・アレイの、次いでブロードウェイの作曲家として名をあげるが、1920年頃からクラシカル作品の作曲に野望を持ち、24年には有名な「ラプソディー・イン・ブルー」で一躍楽壇の寵児となった。管弦楽法を会得するためパリに赴きモーリス・ラヴェルの門を叩いたことは有名である。ラヴェルの返答として「あなたはすでに一流のガーシュウィンなのだから、二流のラヴェルになることはない」。弟子入りすることはなかったが、二人は交友関係を結ぶ。パリに遊んだ成果は見事な管弦楽作品「パリのアメリカ人」に結実している。この他「ピアノ協奏曲」「キューバ序曲」「アイ・ガット・リズム変奏曲」「ピアノのための前奏曲」などを残している。
ブロードウェイ・ミュージカル作品としては「レディー・ビー・グッド」「ストライク・アップ・ザ・バンド」「ガール・クレイジー」「オブ・ジー・アイ・シング」「レットエム・イート・ケーク」。ハリウッド・ミュージカルとしては「踊らん哉」「踊る騎士」などがある。これらの作品からはジャズメンにも愛好される無数のスタンダード・ソングが生まれたのである。
講演会ではガーシュウィン自演の音源、貴重映像をまじえてお届けする予定だ。ガーシュウィンが後世に残した音楽遺産を楽しんでいただければと思う。(小針俊郎)


                           解説 小針俊郎