12月1日(土)

 友人の皆様方が「いーぐる」開店40周年と私の還暦を祝ってくれることになった。あまり大げさなことは気が進まなかったのだが、幹事役村井さんの「それをきっかけに昔の知り合いが顔をあわせるってことでいいじゃないですか」のひとことで、ありがたくやっていただくことにした。
 発起人に名を連ねていただいたお三方は決して「名前だけ」の方々ではなく、私が現在この稼業を続けているにあたり、欠かせない人たちだ。まず中平穂積さん。そもそも私がジャズ喫茶をやろうと思い立ったのは、高校生の頃友人に連れられ、出来たばかりの新宿「DIG」に行ったのがきっかけだった。そして開店の際、弱冠20歳の大学生に、オーディオ機器やレコードを信用販売してくれたのが、当時のヤマハ渋谷店ジャズ主任、現イーストワークスの漆山寿一さんだ。
 また、一介のジャズ喫茶オヤジに本を書くチャンスを与えてくれたのは、宝島社の富永虔一郎さんである。この方たちのお陰をもって現在の私があるのだ。
 四谷二丁目のイタリアン・レストランで2時30分より行われたパーティは、中平さんの挨拶で始まり、仕事で来られなかった旧友、日野原幼紀(TVプロデューサー)のコメント・ビデオ、来会の皆様方のご祝辞と賑やかに進行し、私も長門芳郎さんたち旧「ディスクチャート」の面々や、はるばる大阪、山形から駆けつけてきてくれた旧友らと何年ぶりかの再会を楽しんだ。
 5時30分より「いーぐる」にて2次会。30人以上もの皆さんが流れ、まあ、いつもの忘年会状態。いくつものグループが各々昔話やらジャズの現状など楽しげに話すのを見て、我ながらジャズ喫茶という「場」の意味合いに気が付いたものだ。
 この場を借りて、遠方から来てくれた旧友諸君、お忙しい中、時間を割いていただいた業界関係者、ご祝辞をお寄せくださったに皆様方に厚く御礼申し上げます。また、メンドウな幹事役を引き受けてくれた村井康司さん、田中ますみさん、そして裏方仕事を手伝ってくれた常連の皆様方に、心から感謝いたします。