2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

think15 -- ジャズを聴くことについての原理的考察 第15回

人の感覚を拡張、深化させるものが芸術であるという、私流定義に従ってルイ・アームストロングの演奏を聴いてみれば、まさに彼の音楽は芸術であった。しかしそのことを理解するに至るには、根源的なジレンマが横たわっていることを見逃してはならないだろう…

think14 -- ジャズを聴くことについての原理的考察 第14回

ところでジャズを芸術音楽としての視点から眺めてみるという作業の前に、ちょっとした下ごしらえが必要だと思う。それはジャズとポピュラー音楽の関係だ。あるいは、ジャズは果たしてポピュラー音楽であるのか、という設問に置き換えても良いだろう。これは…

think13 -- ジャズを聴くことについての原理的考察 第13回

仮に、人間の感覚を拡張し、深化させるものを芸術であると定義してみよう。言うまでも無くこんな内包は大きすぎて、余計な外延を大量に呼び込んでしまう。マリファナだってヘロインだって芸術だということになりかねない。もちろんそんな俗受け狙いの主張を…

think12 -- ジャズを聴くことについての原理的考察 第12回

前回、ありがちな誤解を防ぐために、とりあえず自分のパーカー体験は知的理解ではないと言ったが、ここまでの連載を通読していただいた皆様には、もう少し本質的な話をしてもよいだろう。より深いレベルで考察すれば、数学の問題が解けるということも、ある…