2010-01-01から1年間の記事一覧

12月18日(土)もう何年も前から言っていることだが、いまや「シーン」などというものはない。ただ、さまざまな事象(アルバム)が相互に無関係(なように)散らばっているだけだ。当然「一年を回顧」してみても、特定の「傾向」などというものは読み取れな…

第434回 「2010ベスト盤大会」 2010 / 12 / 18選曲者 / リーダー / タイトル / レーベル / 曲名 1, 後藤雅洋 / Vijay Iyer / solo / ATC / Epistrophy 2, 伊藤嘉章 / Danilo Perez / Providencia / Nac Avenue / Providencia 3, 須藤克治 / Orchestre Nation…

12月11日(土)本日の『ジャズ耳の鍛え方』(NTT出版)発売記念イヴェント、どう進行させようか、かなり迷った。というのも、今回の本の基本は「ジャズ耳を鍛えること」なのだけど、そこにいたる道筋がけっこういろいろと書いてあるので、ポイントが絞り…

本日、12月11日 午後3時30分から行われる『いーぐる連続講演』の内容をお知らせいたします。【第433回 いーぐる連続講演】 『ジャズ耳の鍛え方』(NTT出版)刊行記念イヴェント 2010/12/11司会進行 村井康司氏 ゲスト 中山康樹氏 解説 後藤雅洋 本書のテ…

第433回 12月11日(土)3時30分より ● 『ジャズ耳の鍛え方』(NTT出版)発刊記念イヴェント 店主最新刊を肴に、問題作『ジャズ構造改革』(彩流社)のメンバー3人がジャズ、そして音楽評論の現状について、忌憚のない意見を交換いたします。当日は著書の販…

think.32主知主義批判の続きの前に、またちょっと哲学私見を追記しておく。think.31で、私の哲学に対する姿勢は哲学自体に対する知的好奇心と、道具としての哲学の二つに分かれると書いたが、当然その各々で哲学に対するスタンスは異なる。前者では、例えば…

think.31哲学に対する私見を述べておく。その前にひと言断っておきたいのは、世間の哲学に対する偏見である。それは、あまりにも哲学を後生大事なものと崇め奉る心理の裏返しがもたらす、無意味な反発だ。これは芸術に対する態度と同じで、芸術、哲学を語る…

いーぐる連続講演第432回 2010/11/13 ロックを大音量で聴く会part4 『ジョン・レノンから始まるロック名盤』(講談社文庫)発刊記念 70年代ロックを大音量で聴こう! 解説:中山康樹 司会:村井康司 1 John Lennon / God (4:00) from "Plastic Ono Band" 2 …

11月13日(土)「大音量でロックを聴く会」の4回目は、中山康樹さんの『ジョン・レノンから始まるロック名盤50枚』(講談社文庫)の刊行を記念して、同書からの選曲で進められた。司会進行は村井康司さん。ロックにも詳しい村井さんならではの巧みな質問が、…

『ジャズ耳の鍛え方』( NTT 出版 ) 発売 12月8日(水) 定価 1700円 + 税 テニスやゴルフの上達法の本は当たり前に見えるのに、ジャズの聴き方の上達法と言われると、首をかしげる人が多いのではないでしょうか。しかし、ジャズの聴き所を掴むテクニックは…

think.302008年の9月17日にthin.29-1を書いて以来、もう2年が過ぎてしまった。中断の理由は、議論の場がcom-postの『往復書簡』に移行したこともあるが、「いーぐる掲示板」と同じように、ごく一部の読者は私の議論に対する賛否以前に、(当方の説明不足もあ…

10月30日(土)あいにくの天気でどれほどお客様が見えられるか気がかりだったが、荻原さんのサンバ特集、思いのほか多くの皆様にご来会いただき、たいへん驚くとともに、ブラジル音楽ファンの熱い意気込みを感じた。正直に言って、私のラテン音楽に対する理…

第431回 「カルトーラとノエール・ローザを偲んで」10月30日(土) 解説 荻原和也第1部 カルトーラ物語 (曲名/歌手・グループ名/作曲年) 1. Chega De Demanda/Velha Guarda Da Mangueira/1928 2. Divina Dama/Francisco Alves/1933 3. Tenho Um Novo Am…

いーぐる連続講演 第430回 2010/10/9 『マイルス・デイヴィス 奇跡のラスト・イヤーズ』発刊記念イヴェント! 選曲・解説:中山康樹 司会:村井康司 1 Turnaroundphrase-Tune In 5 (15:42) 1973/11/1 Miles Davis(tp) Dave Liebman(ss,ts,fl) Pete Cosey(elg…

● いーぐるでは、音楽界のさまざまな分野で活動されている方々をお招きして、実際にアルバムを聴きながらジャズ、そしてさまざまなジャンルの音楽に親しんでいただくための連続講演を行っています。 ● 参加費は600円で、飲食代金は別途いただきます。また予…

『音楽にとって進歩とは何か?』 四谷いーぐる 2010.10.02 (土) 星野 秋男 Classic 1 古 典 派 モーツァルト (1756生) トルコ行進曲 1783 2 後期ロマン派 ワーグナー (1813生) トリスタンとイゾルデ 1857 3 後期ロマン派 リスト (1811生) 暗い雲 1881…

私が多くの心あるジャズファン、音楽ファンのみなさまにご理解いただきたいことは、私自身を含めたすべての人間が、中立的で客観的、かつ透明な感受性を持つこと自体、原理的に不可能であるという厳然たる事実です。これは個人の好みの問題とはまったく別で…

【星野さんの2回目の「コメント」に対するご返事】おっしゃるとおり、音楽の価値に普遍性がないことは「世間の常識」ではないかもしれません。しかし、星野さんは「音楽研究家」と肩書きされた名刺をお渡しくだされましたよね。ですから私は星野さんを専門の…

10月13日(水) 【星野さんの「コメント」へのご返事】私は、「音楽の価値は好みしかない」などと、あの講演の質疑の際はもちろん、過去にも一度も言ったことはなく、むしろ音楽の価値を好みで判断する立場には、常に批判を繰り返してきました。星野さんは、…

10月9日(土)正直に言って、私は復帰後(80年代以降)のマイルスをそれほど高く買っていない。しかしそれはそれとして、今日の中山さんの講演は興味深いものだった。まず、私たちジャズ関係者はヒップホップのことをよく知らないという事実だ。そしてまた、…

10月2日(土)「音楽には客観的で普遍的な永遠不滅の価値があるのだから、現在まで残っていることで歴史が証明しているベートーヴェンは、AKB48より音楽的価値がある」という面白いご主張をなさる星野秋男氏の講演は、ナカナカ示唆に富んだものだった。私な…

9月18日(土)歌声に身をゆだねる心地よい時間が過ぎてゆく。山中修さんによるジョニ・ミッチェル特集、理屈も何もなく堪能させていただきました。自分では気が付かなかったのだが、山中さんがジョニに注目したのは、はるか昔いーぐるで盛んにジョニのアルバ…

いーぐるでは、朝日カルチャーセンターのジャズ講座を行なっています。2010年10 月期は下記の日程で行われます。参加ご希望の方は、朝日カルチャーセンター 朝日JTB・文化交流塾 プロジェクト事業部までお申し込みください●2010年10月期講座テーマ 【“名盤”…

● いーぐるでは、音楽界のさまざまな分野で活動されている方々をお招きして、実際にアルバムを聴きながらジャズ、そしてさまざまなジャンルの音楽に親しんでいただくための連続講演を行っています。 ● 参加費は600円で、飲食代金は別途いただきます。また予…

9月4日(土)ちょっと新譜特集の趣向を変えてみた。このところ益子さんにお願いしてきたのだが、得意分野のニューヨーク・ダウンタウンシーンについてはずいぶん勉強させていただいたので、少し幅を広げてみようとcom-postメンバー全員で注目作を持ち寄るこ…

第427回 いーぐる連続講演 2010/9/4 「com-post」プレゼンツ、秋の新譜試聴会 後藤雅洋選曲 アーテイスト:Vijay Iyer アルバムタイトル:Solo 曲名:Epistrophy (4:46) 須藤克治選曲 アーティスト:John Ellis & Double-Wide アルバムタイトル:Puppet Misc…

8月26日(木)発売後2週間ほど、アマゾンのジャズ本部門売上ランキング1位だったので、あるいはと思ってはいたが、まさか発売3週間で重版になるとは思わなかった。この暑いさなか書店まで足を運び、拙著を手に取りお買い上げいただいたみなさま、そして中身…

いーぐる連続講演 第426回 2010年8月21日 解説:林 建紀エリントンを聴け! その5 〜ソウルフル・エリントン〜All selections performed by Duke Ellington and his Orchestra except 16.[Opening Theme] 1.ROCKIN' IN RHYTHM [3:47] February 1, 1963, "Ol…

8月21日(土)いわゆる「ジャズ史の巨人たち」の中で、知名度は高いが、その割にあまり聴かれていないのがデューク・エリントンではなかろうか。その理由はいくつか考えられる。まず「古い」という先入観、ビッグバンドだからというコンボファンの偏見、そし…

8月17日(火)8月12日に日経新聞文化欄に掲載した記事に対する礼状を、横尾忠則氏からいただいた。「JAZZ ジャケット アート十選」に、横尾忠則氏がジャケット・アートを描いたマイルスの『アガルタ』(Sony)を紹介したからだ。その礼状に思いがけない事実が…