第504回 7月6日 (土) 【15:30より】

●『激情を歌う~フランク・シナトラビリー・ホリデイ

表題の二人の名前をご覧になって、微かにでも違和感を感じた方は、シナトラの俗世での成功に目が眩んでいらっしゃるのではないか。「My Way」「Strangers in Paradise」「New York, New York」などのミリオン・ヒットは、確かにジャズ・ファンから唾棄される存在だし、エンタテインメントの帝王と言われ、全米の芸能界に君臨する姿はジャズとは縁遠いものだった。しかし彼のデビュー時から、熱い視線を送ってきたジャズマンは多い。その代表がレスター・ヤング。彼はいくら貧窮しようともシナトラのレコードだけは手放さなかった。レスターと親交があったビリー・ホリデイもその一人である。

考えてみれば、二人のレパートリーと唱法には奇妙なほどに共通点が多い。一言で言えば「激情の表現」である。エンターテイナーであるシナトラの歌には、軽快明朗、コメディー・タッチの歌も少なくないが、深刻を極める表現にはビリーと共通する性的な衝動がある。ビリーがこうした唱法の先駆者であることはご存じのとおり。

講演では二人の共通レパートリーを聴き比べ、希代のシンガーの本質にせまるつもりである。二人は奇しくも同年(1915年)生まれ。男女の天才たちの生きた時代背景も点描する。

                             解説 小針俊郎


第505回 7月20日(土) 【15:30より】

● 『日本のポピュラー音楽受容史』連続4回講演の第1回

ジャズ・エイジからロック・エイジにみる日本の大衆文化の強み
                             解説 杉原志啓

第506回 7月27日(土) 【15:30より】

● 『日本のポピュラー音楽受容史』連続4回講演の第2回

ジャズ・エイジからロック・エイジにみる日本の大衆文化の強み
                             解説 杉原志啓

第507回 8月17日(土) 【15:30より】

● 『日本のポピュラー音楽受容史』連続4回講演の第3回

ジャズ・エイジからロック・エイジにみる日本の大衆文化の強み
                             解説 杉原志啓

第508回 8月24日(土) 【15:30より】

● 『日本のポピュラー音楽受容史』連続4回講演の最終回

ジャズ・エイジからロック・エイジにみる日本の大衆文化の強み
                             解説 杉原志啓


第509回 9月7日(土) 【15:30より】
● 『ペッパー・アダムス特集』
白人バリトン・サックス奏者の勇、ペッパー・アダムスを自らもバリサクを吹く阿部さんが熱く語ります。ハードバップ・ファンは必聴の講演です。
                             解説 阿部 等


第510回 9月14日(土) 【15:30より】
● 『キャブ・キャロウェイ特集』
アーリージャズを語らせれば右に出るものの無い林さんが、ビバップの陰に隠れがちなジャンプ・シーンの大物、キャブ・キャロウェイにスポットを当てます。
                             解説 林 建紀