NEW ARRIVALS Vol.17 6月2日(火曜日)
好例の、ユニバーサルジャズさんとディスクユニオンさん主催による、新譜紹介イヴェント「NEW ARRIVALS Vol.17」が行われました。
第17回 新譜試聴会 紹介アルバム
UNIVERSAL JAZZ 解説 斉藤嘉久
1, BEN WILLIAMS / COMIMG OF AGE
2, TERENCE BLANCHARD / BREATHLESS
3, KURT ELLING / PASSION WORLD
4, GARY PEACOCK TRIO / MOW THIS
5, ROBERT GLASPER / COVERED
diskunion 解説 羽根智敬
1, AL DI MEOLA / Ely sium
2, GEORGE ROBERT / New Life
3, 吉本章紘カルテット / Moving Color
4, J.R. MONTEROSE / Live in Albany
5, ENRICO PIERANUNZI / Double Circle
それぞれ聴きどころのあるアルバムでした。思いつくままコメントすると、テレンス・ブランチャードが新たに結成したエレクトリック・バンド「E-Collective」による新作は、かなり新機軸。ファンクやR&Bなどのテイストを巧みに織り交ぜたサウンドが印象的。
カート・エリングの歌声は相変わらず力がある。リシャルド・ガリアーノの参加など、サイドマンも多彩。
ゲイリー・ピーコックのECM盤は、エヴァンス〜ラファロの名演「グロリアス・ステップ」など、収録曲目が興味深い。しかしなんと言っても驚いたのはロバート・グラスパーの新作だろう。このところ話題となった「ブラック・レディオ」と同じ人物とは思えない正統ピアノ・トリオ演奏で、もちろん彼なりのアイデアは随所にちりばめられているものの、話題を呼ぶこと必定。
アル・ディメオラといえばフュージョン・ギターとイメージが定着しているが、近年の彼の演奏は一皮剥けているよう。ジョルジュ・ロベールはじっくり聴くほどに味の出るタイプだが、今回もその路線に変わりはない。
吉本章紘の演奏はまさに現代日本ジャズで、一昔前のように一聴して「ジャパニーズ」というものではなくなっている。時代は変わった。マニア好みのテナーマン、J.R.モンテローズの1979年のライヴは、Jaro盤にも収録されていた「グリーン・ストリート・シーン」が目玉か。そしてもはや完全に大御所の風格を備えたピエラヌンツィの新作はギターとのデュオ。これは良かった。
なお、次回『NEW ARRIVALS VOL.18』は、7月6日(月曜日)午後8時からです。ご期待ください。