第530回 5月24日(土曜日) 【15:30より】
● "俺はリーガル・エイリアン"〜サルサの周縁を拡げた男

ニューヨーク・サルサを代表するスター/プロデューサーでありながら、この男が作ってきた"サルサ"は何かが違う? ブガルーからレゲトンまで、"やんちゃなラテン"と関わる一方、ブラジルやコロンビア音楽の要素まで取り込むことで、DJ世代の隠れたアイコンともなったラテン・ニューヨーカー、その全貌に迫ります。ウィリー・コローン特集              
                           解説 真保みゆき



●第5回 『New Arrivals』

5月26日(月曜日) 【20:00〜22:00】

《この催しはノーチャージ、飲食代金のみでおいでいただけます》

ユニバーサルジャズとディスクユニオンの共同主催による、好例の新譜紹介イヴェントです。



第531回 6月7日(土曜日) 【15:30より】
● ジェームス・ブラッド・ウルマー特集・その2
4月にもった、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーを筆頭とする壊れたブラック・ミュージックの担い手たちを追う特集の第二弾です。場が“いーぐる”ということでジャズの動向に気を配る流れで前回は話を進めましたが、異端ジャズ側出身者のポップ側に位置せんとする音群が何気に好評でしたので、今回は1980年代後期に盛り上がったブラック・ロック・ムーヴメントの動きにも目を向けつつ、今にいたるウルマー流れのぶっこわれ黒人ギタリストたちのプロダクツを俯瞰します。ヴァーノン・リード、ジャン・ポール・ブレリー、ブランドン・ロス、ジェフ・リー・ジョンソン、などなど。美は乱調にあり……ギターという楽器をとっかかりとする、アフリカン・アメリカン音楽に流れ続ける素敵の意味を問い直します。
                           解説 佐藤英輔


第532回 6月14日(土曜日) 【15:30より】
● 「ショウビズ世界が聴きとったマイルス・ノネットサウンド

ハリウッドをはじめとする米国のショウ・ビジネスの世界は長くジャズに対して冷淡だった。冷淡というより鈍感、もしくは黒白のレイス・マーケットの兼ね合いに敏感過ぎたというべきか。1935年以降、あれほど全米を席巻したスウィング・ブームの最中ですら、ハリウッドのジャズに対する取扱いは及び腰であり、歴史的名画が量産される1930年代後期〜40年代にも、ジャズ(スウィング)をキーワードに検索すると駄作ばかりが列挙される。ジャズはハリウッド・メジャーの映画にとっては所詮添え物であり、それはサッチモビリー・ホリデイベニー・グッドマンらのジャズの大物が出演した場合の軽い扱いにも表れている。こうしたハリウッドが真剣にジャズと向き合うのは、1950年代からであり、そこに登場したのはバップを経てモダン・イディオムをまとったジャズだった。それにはまた大戦後に至り、黒人たちのアイデンティティの自覚、僅かであれ人種差別意識の緩和等の背景があった。この1950年代、ハリウッドが所在するロサンジェルス地域はウェスト。コースト・ジャズの全盛期である。連続講演では以上のハリウッドとジャズの関係を背景に、西海岸白人ジャズの興隆と、ハリウッドへの影響、ひいては一般ポピュラー・ミュージックへ流れ込んだジャズの痕跡をヴィデオを併用しながら辿る。(小針俊郎)

                           解説 小針俊郎