1月16日(土曜日)

盟友佐藤英輔さんアイデアによる、不肖後藤雅洋に黒音楽を聴かせ、その反応を探るという珍イヴェント、おかげさまで無事終了させていただきました。これもひとえに英輔さんご持参の重い重いアナログ盤と、スルドイ選曲眼の賜物と深く感謝しております。

私の勝手な合いの手、昔話のため、大幅に進行が遅れ、予定の半分ぐらいしか貴重なレコードが聴けず、隔靴掻痒の思いをされたお客さま方には、この場を借りてお詫びいたします。その代わりと言ってはナンですが、かけ残してしまったファンクものは「Vol.2」として近日中に追加イヴェントを行いたいと思います。そのため、英輔さんはその分のレコードを「いーぐる」に置いていかれました。

私ごとですが、今回のイヴェント、本当にいい勉強になりました。ハンパな知識しかなかったソウル・ミュージックの歴史や微妙なテイストの違いが、英輔さんの的確なプログラムによってかなり整理がついたのです。

とまあ、マジメな話はさておき、いや〜、やっぱブラック・ミュージックいいですねえ〜。とりわけ私の青春真っ盛り、60年代後半のプログラムはどれもこれも感涙ものでした。

レイ・チャールスにはじまりウィルソン・ピケット、サム&デイヴ、オーティス、アリーサへと続く流れを聴くうち、二十歳前の街で遊んでいた頃の懐かしくも楽しくアブない記憶が鮮明に蘇ったのです。私にとってこの手の音楽は、決して自宅のソファで寛いで聴くものではないのですね。まさにストリート・ミュージックだったのです。

しかしそれだけではあんまりなので、シロートの感想メモを書き記すと、黒音楽の私なりのキメは、まずはリズム。そして腰が強くてニュアンスに満ちた声質と、それにからむコーラス隊のコール・アンド・レスポンスの小気味良さ。加えてホーン陣のシンプルだけど絶妙の味のある合いの手がたまりません。

知識として身に付いたのはサザン・ソウルノーザン・ソウルのテイストの違い。マニアにはいまさらでしょうが、今になってそれぞれの聴き所が良くわかりました。個人的体質としてはやはりサザン好みですが、もちろんノーザンのマーヴィン・ゲイやドニー・ハザウェイだって大好き。

あと、個人的には1972年から74年の間にちょっとした「断絶」めいたものを感じました。たまたまの選曲だったのかもしれませんが、74年以降のサウンドにはちょっと「フュージョンっぽい」モノを感じたのですね。

まあ、こんなのはマイルスは50年代がサイコーってほざいているジジイ・ジャズファンと変わらないのかもしれませんが・・・ しかし、それならといって英輔さんがかけてくれた85年のスティーヴィーはやはりいいのですね。これはやはり「声」の勝利で、この辺りの「聴き方」はまったく「ジャズ耳」ですね。

ともあれ、今回残された「ファンク・コーナー」はまだまだ宝の山で、近日中に次回講演スケジュールを英輔さんと相談の上、告知いたします。乞うご期待! 

そして英輔さん、重いアナログをご持参いただきたうえでの素敵な講演、ほんとうにありがとうございました!