5月26日(土)

 今日は1時から3時まで店で朝日カルチャーセンターの講座を開き、3時30分開店の4時スタートでいーぐる連続講演を行うという濃密スケジュール。講座の内容は拙著「マイルスから入るJAZZ入門」(彩流社)を基に、マイルス周辺のアルバム、ミュージシャンを紹介するもので、今日はその3回目「モードジャズ編」。
 サブテーマにライヴとスタジオ録音の違いを知ってもらうため《マイルストーンズ》《ソー・ホワット》を、それぞれアルバム『マイルストーンズ』『マイルス・イン・ベルリン』、『カインド・オブ・ブルー』『フォー・アンド・モア』で聴き比べてもらう。質問コーナーではなかなかいい質問が出され、生徒さんの質の高さがわかる。失言失言、「生徒さんの質」などと言ってはいけませんね。
 定刻を過ぎ3時30分ギリギリに講座は終了。即営業に移り、4時に原田さんのセロニアス・モンク特集が始まる。『ジャズ批評』元編集長、原田さんの耳の良さには定評があるので楽しみ。
 内容は予想にたがわぬ素晴らしいもの。素材が良いのは当然だが、料理の腕も一流。お客さんを飽きさせない工夫を随所に散りばめつつ、ポイントは外さない。僕らのようにさんざんモンクを聴いてきたものにとっても楽しめたのは実に嬉しい。
 しみじみ思ったのは、普段何気に聴いているモンクの才能の凄さだ。たまたまだけど、前回のバイアードの限界と比較してみれば、その差は歴然。共にパウエル以前の世代に属し、「バップ・フレーズを出さない」「“変わった”ミュージシャンとして知られている」といった共通項がありながら、いったい何が両者を隔てているのか。