6月30日(土)

 今日は初導入のプロジェクターを使っての連続講演。前日の晩にセッティングは済ましたが、うまくいくかちょっと緊張する。高野雲さんによるバド・パウエル特集は、彼の主宰するジャズブログの読者の皆さんが大挙して押し寄せたせいか、大盛況。
 スクリーン周辺の座席が使えないこともあって、あっという間に補助椅子を出さねばお客様を収容しきれなくなる。これはパウエル人気か、雲ちゃん人気か。
 最初にパウエルが街を歩き回る有名なビデオを流すが、この導入は巧い。続いてテーマごとにパウエルの音楽を紹介していくが、この手法は現役雑誌編集者ならではの手際。あまりジャズに詳しくないファンでもわかりやすい。
 最後の質問コーナーで、私自身が雲ちゃんに、今年3月に行われた八田さんのパウエル特集との違いを質問する。回答は、八田さんがパウエルの音楽を時間軸に沿って、いわばタテに切ったとするならば、今回はテーマごとにヨコに切ってみたという。再度、八田さんとなにかパウエル観に違いがあるのかと突っ込むと、それは特にないという。まあ、パウエルほどの巨人になると切り口はいくつもあるのだから、これはこれでよいだろう。
 よく言われることだが、パウエルは指をほとんど伸ばしたまま、場合によってはそらせたようにも見えるようにして鍵盤を弾く。彼は空手の修行者のように指立て伏せでもしていたんだろうか、などと下らない妄想に浸りながらビデオを見ていたが、やはり映像のインパクトは強力だ。
 終了後の宴会で雲ちゃんのブログの読者の皆さんと歓談するが、実にジャズ好きかつユニークな方々で話題が豊富。収穫は、以前からいーぐる連続講演に参加してくれていたパーカー・ファン・クラブの鈴木さんが、ついにいーぐるでパーカー特集をやってくれることとなった。日程は8月11日、いまから楽しみだ。