5月20日(木)

偶然だとは思うが、趣味雑誌の老舗、『スイングジャーナル』と『カーグラフィック』にそろって異変が起こった。方や休刊、一方はどうやら版元が変わるらしい。実を言うとカーグラフィック編集長、塚原さんは学生の頃わが「いーぐる」でバイトをしていたことがあり、その頃まだ広告担当だった『スイングジャーナル』編集長三森さんと「いーぐる」で知り合った仲だ。だからこの2誌は私にとっては特別の思いがある。
三森さんは知る人ぞ知るカーマニア。そして、塚原さんは現在「ジャーナル」で活躍中のわが友人、村井さんの上智ニュースイングの後輩である。けっこう狭いなあ。
もう公表されたことだから言ってもいいと思うが、ちょっと前、塚原さんが久しぶりに「いーぐる」に顔を見せ、「カーグラ」身売り話を打ち明けてくれた。そのときは大変だなあと思ったが、まさか「ジャーナル」までもがこんなに早く「休刊」になるとは思わなかった。これも時代の変わり目か。
自動車はマスコミなどでも「最近の若者の自動車離れ」などという記事が出るように、売れ行きの下降以上に「趣味として」自動車を語る層が少なくなっているようだ。スポンサーは不景気、「車を読む」層の減少と、これはたいへんだろう。
一方、ジャズの方は、聴取スタイルの変化に伴い、CDの売上こそ低迷しているが、音楽としてのジャズに対する興味、関心までもが減退しているということでもなさそうである。というのも、先日「文京アカデミア講座」というところでチャーリー・パーカーについての講演を行ったところ、定員40名を超す参加者がおいでくださり、最後まで熱心にパーカーの演奏を聴いてくれた。そして、最後の質疑応答も、予定時間を越すほどおおぜいの方々の熱心な質問を受け、ジャズに対する潜在的関心の高さを身をもって実感させられた。
スイングジャーナル』は新体制で復刊すれば、それなりの購読者を維持するのは不可能な話ではないだろう。