8月17日(水)
御茶ノ水に新しく出来たジャズカフェ『GRAUERS』の開店記念パーティに招待される。店名の由来がすぐにお分かりになった方は、相当ジャズに詳しいつわものだ。オーナーがジャズ関係者ならご存知、古庄さんだと知れば、少しはヒントになるか。そう、世界的なリヴァーサイド研究家、古庄紳二郎さんがジャズに対する秘めた思いを込めたネーミングなのである。
そう言われても、ふつうのジャズファンはまだ合点がいかないかもしれない。かくいう私自身、「アッ、そうか」と気が付くまで、若干のタイムラグがあったことを白状しておこう。じらしはこのくらいにして答えを言えば、Grauer グロウアーはリヴァーサイドの経営者で、彼とオリン・キープニュースによって作られたRiversideの正式名称がビル・グロウアー・プロダクションなのである。
場所は御茶ノ水の中心地とも言える、三省堂真向かいのJR御茶ノ水駅方向へショートカットする道路沿いの2階。目印はジャズファンならご存知、白地に青のオープンリール・テープレコーダーとマイクのデザイン、リヴァーサイド・オリジナル・アナログ盤のセンターレーベルが窓に大きく貼り付けられている。確か、エヴァンスの『ニュー・ジャズ・コンセプション』とウエスの初リーダ作だったか。
近所には、このところファンの間で話題の、ジャズ専門フロアが充実したディスク・ユニオン「JAZZ TOKYO」が控えており、ジャズ盤探索の後でも、あるいは神田古書店街で古書渉猟のあとの一休みでも格好の場所といえる。レンガをあしらったシックな内装の壁に掛けられているのは、これも熱心なマニアならご存知、中平穂積さん撮影による実に見事なモンクのポートレイト。
もちろんオーディオ装置も第一級のものがそろえられ、型番までは分からなかったがJ.B.L.の3Wayスタジオ・モニターをマッキンのアンプで駆動するという、懐かしのジャズ喫茶定番。そしてアナログ・プレイヤーが凄い。あまりこうした高級品に詳しくないのだけど、EMTではないか。そしてそれにつりあうCDプライヤーとなれば、やはりスチューダー。(チラッと覗いただけなので、後日訂正の可能性アリ)
これだけでオーディオマニアの触手が動くこと請合いながら、むしろこの店のポイントは専門のソムリエがセレクトした上質なワインと、それに見合う美味この上ないつまみ類ではなかろうか。極め付きは特性のパンで、噛めば噛むほどに味わい深い。パンとチーズがあればワインのつまみはOKというような「通」はぜひ足を運んでみていただきたい。
『GRAUERS』
RIVERSIDE JAZZ
RECORD COLLECTION
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3-20-13 日比ビル2F
phone:03-5577-4826
URL:www.grauers.jp