3月24日(土)
午後、正道会館にて選手たちのスパーリングを横目で眺めつつ、サンドバッグを軽く蹴る。3時過ぎ店に着くと、既にかなりの入り。どこぞの誰かさんは、バド・パウエルは難しすぎるなどとのたまっていたが、こといーぐるのお客様たちの間にはそんな気配は微塵も見えない。けっこうなことだ。
超の付く大物バド・パウエルを、ジャズ歴は長いとは言え、まだ20代の八田さんがどう料理するか大いに見もの。期待にたがわず、彼はいわゆる絶頂期の演奏といわれるものの中にも既に衰えの兆候があると、新しい視点を提出。その検証のため、マニアでもあまり聴かない44年から46年にかけてのごく初期の演奏を紹介する。また「病気」と演奏の出来との相関関係について、実はアルコールの影響の方が大きかったのではないかという新説も提起。
ほぼ3時間に及ぶ長丁場にも関わらず中途退会者も少なく、参加者総数39名という立派な数字は、ジャズの未来もそう暗くはないとの思いを抱かせるに十分だ。
早めに帰宅した八田さんを残し、高野雲、須藤さん、林さんらいーぐるの論客たちは2次会でもパウエルの熱冷めやらず甲論乙駁。なんと雲ちゃんはオレ流のパウエル特集をやると宣言、その意気やよし。