1月12日(土)

あいにくの氷雨交じり、新春初のいーぐる連続講演は原田和典さんのジョー・ヘンダーソン特集。定刻3時30分ではまだ常連さんだけの少し寂しい入りであったが、4時をまわる頃から次第に人数が増え、結局参加者数33名とかなりの大入り。
ジョーヘンは、同じテナー奏者の中では特徴のわかりやすいコルトレーン、ロリンズに比べ聴き所を掴むのに少し時間がかかる。いわばジャズ中級者向けのミュージシャンなのだが、原田さんの的確な解説とツボを押さえた選曲で、たちまちお客さんたちをジョーヘン・ワールドに引き込む。
最後の質問コーナーで、ジョーヘンとブレッカーの関係など私にとっても興味のある話題が出たが、これはブレッカーに詳しい須藤さんが極めて丁寧に説明してくれた。このように、この催しは自然にジャズの知識が身につく、主宰者の私にとってもありがたい場なのだ。
というか、昔は全国津々浦々およそ1000軒にも及ぶジャズ喫茶でこうした、「音込みの」ジャズ理解がファンに浸透し、あまり見当はずれな意見は自然淘汰されたものだった。近頃のファンはそうした場が少なくなり、どうしても活字からジャズに入るため(自分もそれに加担しているのだが)中にはちょっとなあと思われる見方も散見される。まあ、私としてはそれが「生産的誤読」に繋がるならば、やむをえないという立場なのだが、、、
打ち上げはいつものごとく福翔、9人ぐらいまでなら円卓に詰めれば何とかなるが、明らかに無理。これも好例の前方後円墳型に円卓に角テーブルを繋げ、何とか全員席に着く。人数が多いとコストパフォーマンスが極めてよくなり、文字通り鯨飲馬食して1人たった2500円。
再びいーぐるに戻り、村井康司さんと次回1月26日のイヴェントの打ち合わせをする。「ジャズについて書くこと」という、われわれ自身も含めた非常に重いテーマなので、私としては1回で結論を出そうとか、議論を誘導しようというつもりは無く、当日の参加者の皆様方のご意見を含め、議論百出でいいと思う。それを基に、ジャズ関係者各自が継続的に考えるべきことだと思うからだ。