9月1日(土)

下北沢「ボデギータ」に友人、Mofongo Itoさんが出演するイヴェントを見に行く。プエルトリコの人気バンド、エル・グラン・コンボの来日を記念した催しで、主催者はLa Bombaの紀平まこもさん。伊藤さんは「いーぐる連続講演」の常連講演者でもあり、私は彼にニューヨーク・サルサのカッコ良さを教えていただいた。出演者は伊藤さんのほかに、ラテン・ミュージックの普及に身体を張るEl Caminante Okamotoさんと、ダンスのMacomoさん。

私はラテン・ミュージックの世界には疎いのだけど、どうやら音楽ファンとダンスファンでは音楽に対するアプローチが違うらしい。まあ、なんとなくわかる話だ。私はというと、このところ何とはなしにラテンに惹かれ、誘われるとこの手の催しにはけっこう顔を出している。

第1部は、伊藤さんによるプエルトリコ基礎講座。かの地の風土や音楽、ダンスなど、映像、音楽を交えた解説は実にわかりやすく、私たち日本人には馴染みの少ないプエルトリコという地域に対する明確なイメージが短時間に頭に入る。他のカリブ海諸国に比べ、アメリカに編入されたことの音楽的影響や、すぐ隣のハイチやキューバとの違いが興味深い。

ちなみに、ボデギータは普段はキューバ音楽のメッカとして知られているそうで、私は初めてなのだけど、薦められて食べた通称「キューバ飯」は実に旨い。黒い豆のソースをかけたご飯の脇に豚肉が添えられているだけのシンプルなものだが、ソースの味付けになんともいえないコクがあり、また、しっかりした味わいの豚肉も絶品。これを食べるだけのためにでも行く価値あり。

第2部はエル・グラン・コンボの歴史、東京公演セットリスト予想やら楽曲解説を、伊藤さんと岡本さんが掛け合いでやったのだが、まさに超オタッキーな内容はこの世界の奥深さを知らされた。まあ、ジャズの世界も、もしかしたら外から見れば似たようなものなのかもしれないが…

それでも、さすがその道のつわもの達、私のような初心者にもこのグループの概要がちゃんと伝わってくる。大幅に時間超過したのだけど、ちっともタイクツしない。イヴェント終了後、お客たちが三々五々音楽に合わせてステップを踏み出したのは、参加者の多くがダンスからラテン・ミュージックに親しんだ方々だからなのだろう。ジャズとはまた違った音楽ファンの世界を垣間見られて、実に楽しい一夜であった。