2018年10月31日(水曜日)

後楽園ドームにポール・マッカートニーのライヴを観に行きました。私は2015年のドーム・ライヴも観ているので(ちなみに私はビートルズ初来日公演も観ています)、あれから3年、ポールの変化も興味がありましたが、それ以上に関心があったのは、私が監修している小学館CD付きムック『JAZZ 絶対名曲・コレクション』の『ビートルズ・ジャズ』が現在発売中だからです。

ジャズ・ミュージシャンがビートルズ・ナンバーを採り上げた、『JAZZ 絶対名曲・ビートルズ号』に収録された名曲のオリジナル(厳密には“ビートルズ”ではありませんが)が聴けるのですから、これは逃す手はありません。

冒頭「ア・ハード・ディズ・ナイト」「オール・マイ・ラヴィング」といった懐かしのビートルズ・ナンバーで観客の注目を集め、ポール独立後のナンバー、新曲と進め、後半再びビートルズ楽曲で盛り上げるという演出は巧いもの。それにしても、巨大な爆発音を伴った炎の演出、派手でしたねえ。

今回のポール・ライヴ、2015年の公演に比べ、ブラス・セクションを伴ったバック・バンドも含め全体にロック色が強くなっており、そういう意味ではまったく別物と言って良く、やはり観た甲斐はありました。率直に言って、「じっくり歌を聴かせる」という意味では前回の方が良かったのですが、ロック・ミュージシャンとしてのポール、あるいはビートルズという視点では、やはり出色のライヴでした。2万円近くの出費でしたが、ソンした気は毛頭ありません。

それにしても2時間半に渡る長丁場、一度も水を飲まないポールは駱駝のように体内に秘密の貯水タンクでも備えているんでしょうかね。これは前回も驚いた点でしたが、あれから3年、ポールだって相当の年なのにこの気力・体力・耐久力、私のような老人世代は大いに啓発されましたね。もっと筋トレやらなくちゃ。

『JAZZ 絶対名曲コレクション』の監修者としても改めて大きな発見がありました。それは現在発売中のシリーズVol.2『ビートルズ・ジャズ』にも書いたことですが、「スタンダード」として見た場合のビートルズ・ナンバーの色の濃さです。

ビートルズ・ナンバーは言うに及ばず、ポール独立後の楽曲にも、ビートルズ時代との連続性が窺えるのです。楽曲のテイストは2015年のライヴで中心だった「歌で聴かせるタイプ」と今回の「演奏で盛り上げるタイプ」という違いはあるのですが、そのどちらにもポールのあるいはビートルズのカラーが出ているのは大したもの。


最後に『JAZZ 絶対名曲コレクション Vol.2ビートルズ・ジャズ』収録曲と今回のポール・ライヴの重複楽曲を挙げておきましょう。


「All My Loving」リタ・ライス歌唱
「Blackbird」カサンドラ・ウィルソン歌唱
「Elenor Rigby」ウェス・モンゴメリー演奏
「Yesterday」サラ・ヴォーン歌唱


ドームでポールのロックに酔ったみなさん、その「ジャズ版」に興味を持たれたらぜひ『JAZZ 絶対名曲コレクション Vol.2ビートルズ・ジャズ』をご購入下さいね! 監修者として絶対のお奨めです!