キースの新譜、中身は悪くないんだけど、あの拍手の長さはいかがなものか。「事実」の記録には違いなかろうが、CDというメディアとして世に出すに当たっては、もう少し考えたらどうなんだろう。現に、店でかけるときはいちいち拍手をフェイドアウトし、曲間をつめる操作をしなければならないのは、実にメンドウ。
と文句を付けつつ思ったのは、「ライヴ」と「CD」の本質的違いだ。ライヴは当然「その場の状況」の中で聴くのだから、拍手の盛り上がりも自然なのかもしれないが、状況を共有しないそれぞれ個別のシチュエーションで聴くCDでは、あの「長さ」が違和となる。
こんなこと、CD制作者は気が付かないわけはないのに、あえてそのまま記録したのは、まさにその「違い」を認識しろっていうことなんでしょうかね。それは深読みのし過ぎで、単に配慮が無いってことなんだろうか。しかし、名も知れぬマイナー・レーベルじゃなくECMですからねえ。
ECMといえば、先日、村井康司さんが面白いことを言っていた。「徳永さんの講演がらみでECMの話題が出ていたが、問題は、なぜ今、ECMになってしまうのか、なのだ」というのである。
要するに、現在の日本のジャズ状況が「ECM的」になるのには必然性があるということのようなのだが、酒の席での雑談なので詳しい内容は聞き漏らしてしまった。非常に興味のある話ですねえ。